相続 ~ 申告までの道すがら 1

お葬式を終えたばかりのご自宅に、行政書士さんや司法書士さんが「今後、行うべき手続きや、不動産の名義変更、相続税の申告・・」などをテキパキと説明に来られる事があるようです。確かに、亡くなってから7日以内、14日以内、3カ月以内・・・大切な家族を亡くされたばかりで、悲しみと同時に”呆然”といった状態の方には「助かる」部分があると思います。

ただ、私がご連絡を受けた場合には「せめて満中陰を終えるまでは、故人を偲んでください」とお話ししています。オカルト的な話になってしまいますが、故人が自分への”想い”をそっちのけで”税金”のことや”名義変更”で悩む姿を、「もし」見ているのだとすれば、「何だかイヤだなぁ」と感じてしまうので、満中陰までは故人との思い出にふけっていて欲しいと思うのです。もちろん、遺族がいつまでも悲しむ姿も見たくないと思いますし、前述のとおり、7日以内や14日以内といった満中陰を待てない「手続き」があることも確かですので、知識として知っておく事が、その時に”慌てない秘訣”だと思います。

ただし、税理士として既知のものや雑誌などで知り得た内容を記載していますので、「ああ、こういう手続きが必要になるのと違うかな?」くらいの気持ちでご覧ください。

相続から7日以内

死亡届と死亡診断書 : 2つの書類の根拠となる法律は異なるのですが、実務的には7日以内に死亡届を市役所等に提出しなければならないため、その用紙はA3版で左側が「死亡届」、右側が「死亡診断書(死体検案書)」になっています。
埋火葬許可申請書 : 当たり前のようにお葬式の後は霊柩車で火葬場に行くものと思っていましたが、「死亡届・死亡診断書」を添えて役所に提出しないと火葬はできないのです。

ところが、義両親を亡くした時に役所まで提出に行った記憶がありませんでしたが、それもその筈で、葬儀会社を通じてお葬式を執り行った場合に葬儀会社が代行してくれる事もあるそうです。今思えばお通夜の翌日に葬儀社の事務所で喪主が何枚かに記載していたのを見ていました。つまり、葬儀を葬儀会社に任せる場合は(確認は要りますが)遺族が慌ただしく、役所に行かなくても良いのです。

義父が亡くなった頃は、新型コロナが猛威を奮っていたために火葬までに数日要しましたが、通常は葬儀社がお葬式の日に役所に提出してくれないと火葬場が使用できないのでしょうね。そう思うと、近年は個人で葬儀や火葬手続きを行う方も居られるようですが、悲しみに暮れがちなご家族には難しいと思います。

相続から14日以内

世帯主変更届 : 夫婦が二人で暮らしていたような場合だと、次の世帯主が明らかなので”死亡届”により自動的に配偶者が世帯主に変更されますが、世帯主となれる15歳以上の人が複数名いるような場合は「世帯主変更届」を14日以内に役所に提出します。その時に、マイナンバーカードや個人番号の通知カード(死亡届により自動的に失効するので、手許に置いておきたい場合は市役所に相談してみてください。)、健康保険証、障がい者手帳、介護保険被保険者証なども返却します。返却期限のあるものや、裁断して使えなくするだけで良いものもあるようですから、市役所等に確認したほうが確かです。

その時に、葬祭費や埋葬料の支給についても相談してください。頑張って払ってきた国民健康保険の制度ですから、しっかり支給されましょう。(葬祭費の支給請求は2年以内なら可能ですが、「請求しないともらえない」ので、早めに確認しないと忘れてしまいそうです。)

・(国民)年金受給者死亡届 : 亡くなった方が国民年金を受給していた場合は、死亡と共に受給権を失うので「年金受給者死亡届」を提出します。亡くなるタイミングによっては未支給の年金がある場合がありますが、これは遺族が年金事務所に請求する必要があります。誤解の多いところですが、この”未支給年金”は遺族の財産と考えますので相続税の対象となる財産には含めません。(ひとり言:「未支給の国民年金」2026/4/3公開 に、もう少し詳細を書いています。)
また、厚生年金の場合は同様の死亡届を10日以内に提出しなければならないなど、年金事務所で確認した方が安心できそうです。

ただ、届け出が遅れても過分な年金の返却に煩わしさが生じる程度だと思いますので、年金事務所に相談されるのが遺族年金の受給も含めて安心できそうです。私が義父の年金で相談に伺った際は親切に教えてくださりましたので、助かりました。

特に期限は定まっていませんが、早めに対処した方がいいものに、公共料金の支払い方法の変更や解約、携帯電話の解約。運転免許証やパスポートの返却も第三者に悪用されないためにも忘れないようにしましょう。クレジットカードが被相続人(亡くなった人)名義になっている場合は、引き落とし口座の凍結などで未払いになってしまう事もありますし、無駄な年会費が発生してしまうかも知れません。カード会社によって対応が異なると思われますので、ご自身のクレジットカード会社に確認してください。