相続 ~ 申告までの道すがら 8

不動産、現金・預貯金、有価証券とすぐに思いつく財産の種類を先に考えましたが、相続税の対象となる財産には「金銭に見積もる事のできる経済的価値のあるものすべて」を言いますので、その他にも、宝石や貴金属、自動車、美術品、貸付金や売掛金、特許権なども対象になります。相続開始(亡くなった時)時点で、すでに被相続人の元に存在していない過去に相続人に贈与済みの財産も、相続税法で相続税の対象財産とされる場合があります。

※ 過去のひとり言「相続税のかかる財産って何?」2025年12月24日公開、「贈与加算を知っておきましょう」2025年11月27日 公開、も参考にしてください。

生命保険金について

・生命保険金 : 被相続人が保険金を負担していたため、預貯金等が減少しているのは確かですが、本来の相続財産である「預け金」や「貸付金」とは異なりますが、相続を原因として相続人に保険金の請求権が発生しますので「みなし相続財産」として非課税枠を設けた上で、これを超えて受け取った保険金に相続税がかかります。

生命保険金の非課税枠  法定相続人の数 × 500万円
※非課税枠が「非課税限度額」となります。
※法定相続人の数は、相続放棄をした人がいても放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
※法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。

生命保険会社は保険の見直しや新商品が出るたびに積極的にアプローチをかけてくれますので、ある意味把握しやすいのですが念のために通帳や取引履歴を確認して保険料の支払い事実がないか確認しておきましょう。特に、勤務先で加入していた保険や住宅ローンと並行して加入した団体信用生命保険なども確認しておきましょう。

生命保険金の請求は3年以内にしておかないと請求権が逸失してしまう事が多いので、勤務先や支配先の保険会社に契約内容を確認しておきましょう。

動産について

動産の中には、エレベーターや建物と一体になった冷暖房装置、書画骨董品、牛馬なども含みますが、多くの場合に当てはまる一般動産に多いのは、被相続人が購入した家電や自動車、美術品やコレクションがあります。その他にもたな卸し商品や特許権や著作権など多岐に及ぶので、すべてを網羅して記載する事はできません。もし、なんらかの権利や財産価値のあるものが遺産として発見できたなら、早めに専門家にご相談ください。

・一般動産 : 家電や自動車、コレクションなどが家庭にあったとしても、「相続税の申告書に記載する金額がわからない」のではないでしょうか?財産評価基本通達には「一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と書かれています。例外的にこれら「売買実例価額、精通者意見価格等」がわからない時には新品価格から年数による償却を行うとされています。

言葉で見ると、非常にややこしい感じを受けるのですが、「自動車」を例にとると、被相続人が使っていた自動車を亡くなった時点で中古車屋さんに売ると「いくらで売れる?」と考えてください。この場合、中古車屋さんが「精通者」となりますが、業者さんによって買い取り価格が一致しないこともあります。しかし、実際に売却できた価格(売買実例価額)や精通者の意見価格を「参酌して評価する」ので、「おおむねそれくらいの金額」でも問題ないのです。

相続税評価の原則は「相続開始時の時価」ですから、「相続開始時に処分したらいくらになるか?」を考えると評価額の近似値が出ると考えられます。