贈与なのに所得税?

税務署は色々な関係先から調書などの形で情報得ており、その情報が相続税などの調査に活用されています。ですが、税務資料が担当署や担当部門に回付されるのもタイムラグがあり、該当の確定申告期間が終了した後に当局が事実を把握する場合もあるのです。ですから、「〇〇で利益を得たけど、税金はどうなるのだろう?」と考えるクセを持つことも必要です。

たとえば・・・
Aさんは中小企業の社長さんですが、会社の車を数台入れ替えるようです。まだ、十分走行できるのですが、今だと中古車としてそれなりの値がつくので思い切って売却して買い替えることにしました。ただ、そのうちの1台をつい最近免許を取ったばかりの息子にあげようと考えたのです。いきなり新車を買ってもすぐに傷つけてしまうだろうし、自分の会社で使っていた中古車なら事故歴がない事も分かっていて安心です。それに、税金についても多少の知識のあったAさんは、査定額が贈与税の基礎控除の110万円を下回っているので「問題がない」考えて会社名義の中古車を息子名義に変更したのでした。

(贈与税の非課税財産)
相続税法21条の3
一 法人からの贈与により取得した財産

ところが、このように贈与税の非課税財産として「法人からの贈与により取得した財産」とありますので、息子さんがAさんの会社からもらった中古車には贈与税がかかりません。

「お、ラッキーじゃん!」となるはずは無くて、所得税の対象になるのです。

所得税法基本通達34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(略)
(5)法人からの贈与により取得する金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)

つまり、息子さんがもらった中古車は時価換算されて所得税(一時所得)の対象となるわけです。特別控除が50万円ありますが、査定額がそれを上回っていた場合には所得金額が発生するので息子さんの他の所得と合算して税金を計算することになります。

息子さんが会社員であった場合は確定申告が必要になりますし、扶養家族に入っていた場合は外れてしまう可能性もある訳です。息子さんの勤務先がAさんの会社であった場合には業務に関連して受け取ったと認定された場合には給与や賞与とみなされる場合も考えられます。

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