”不動産”や”経営している会社の株”などのように、分割が難しい財産が遺産の大半だと、早めに対策しておかないと、いざ分割する時に争いになる事があります。例えば、相続人A・Bが二人で遺産総額の80%を不動産が占めるような相続があったとします。不動産を二人で2分の1ずつの共有持分とし、残る預貯金等の財産も半々にすれば、法定相続分通りに2分の1ずつ取得する相続で問題はなかろうと思いますが、その不動産がAの居住物件であればどうでしょう?Bの経営する会社の敷地であればどうでしょう?不動産をA(またはB)が単独で取得し、遺産の30%相当にあたるA(またはB)の固有財産をB(またはA)に渡す方法も考えられます。もし、二人の同意があれば2分の1ずつではなく、片方が80%の取得する事も考えらます。

被相続人が経営していた会社の株式であれば、「発行株式の分散による経営の不安定化」など、更に複雑な事情も絡むかもしれません。単純に換金できる不動産や株式であれば良いのですが、実際には難しい場合が多いのです。もちろん、相続人間で良い方向に進むように話し合う事が重要なのですが、先ほど例にあげたように差額に相当する金額を支払うことによって解決する場合もありますし、不動産も株式も価格が変動する財産なので、相続分が不均等なまま分割が成立する事も稀ではありません。

このケースで、被相続人が存命中であれば、経営する会社の株式は事業承継税制を利用して後継者であるBに贈与する事で、先代無きあとに株式が各相続人に分散するのを防げるでしょうし、Aにも収益物件を贈与し不安や不満を取り除くこともできるかも知れません。争族になりそうな要因を贈与税の特例を使ったり、遺言書を作成する事によって、事前に対策することが可能です。少なくとも争いが長期化する事が軽減されるでしょう。